2004 3月 報道ニッポン兜道通信社 特別企画・再生日本


再生日本〜企業家達の横顔に迫る
-福岡県-


代表取締役 宮地 俊信
Toshinobu Miyaji


21世紀を踏み出すために:
「常に新たな挑戦を」


■平成3年の設立以来、順調な成長を続ける『エム・ティー・データ通信』では、主にモバイル(携帯端末)のプログラム制作を手掛けており、最近では海外への進出も視野に入れながら、様々な新たな取り組みを行なっているという。新しいアイディアを次々に創出する同社の宮地社長を、本日は俳優の穂積隆信氏が訪問。



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穂積 まずは宮地社長のこれまでの歩みからお聞かせ下さい。
宮地 家具で有名な福岡県大川市の出身です。電気関係の専門学校を卒業後、電子部品関係の大手メーカーに勤め、コンピューターのメンテナンスに関する部門で働きました。実家が電気屋でしたもので、当時は電気工事士を目指していたんですよ。
そしてしばらく働いた後に退職して帰郷。いくつかの会社を経て8年ほど前に独立を果たしました。法人化は3年前になります。
穂積 独立当初は順調でしたか。
宮地 いえ。最初は本当に貧乏生活で、四畳半の部屋を事務所としてスタートしました。でも、4年後には現在の事務所に移転することが出来たんです。
穂積 それはすごい! 現在、御社ではどういったお仕事をされているのですか。
宮地 モバイル(携帯端末)のプログラム作成ですね。海外への展開も視野に入れながら幅広く事業を展開しているんですよ。
穂積 なるほど。では、その仕事に携わるようになったきっかけとは?
宮地 会社を立ち上げた時に、まず携帯端末向けのホームページを作ったんです。それがとても好評で、大手の企業から「そのホームページを購入したい」というお話も戴きました。しかし、色々と考えた結果、売るのはやめて、そのホームページを活用する事で事業を展開していこうと考えたんですよ。

宮地(由) 当時はNTTドコモのiモードが出たばかりのときで、携帯電話から見られるサイトが少なかったんです。そのタイミングが良かったのでしょうか、当時は雑誌のしゅざいなどもものすごかったんですよ。
穂積 今や携帯サイトは我々の生活に欠かせないものとなっていますしね。奥様は現在常務取締役を務めておられるそうですが、独立当
初は社長が会社をここまで大きく出来ると考えておられましたか?
宮地(由) そうですね。主人は「こう」と思ったら、すぐにでも行動に移すタイプなので、こういった電気・通信関係の仕事にはもってこいの性格だとは思っていました。
穂積 そういったフットワークの軽さが御社成功の秘密なのでしょうね。
宮地 そうですね。それに最近、また新しいことを始めたんですよ。携帯電話用のバーコードにQRコードというものがありまして、今後必ず広まっていくものだと思っています。ですから、現在はこれに関する事業を形にするため、忙しい日々を送っています。
穂積 それは実生活上でどのように利用できるのですか。
宮地 たとえばスポーツクラブの会員券などはけっこうかさばりますよね。ところが、この技術が浸透すれば携帯電話が身分証明になりますから、そういったカードは一切必要なくなります。お店のスタンプカードなども同様で、携帯電話上で、「スタンプを押す」ことができますから、「スタンプカードを忘れてしまって…」ということもなくなるんですよ。
 とにかく携帯電話1つで、日常生活のあらゆることができるようなシステムができれば面白いのではないかと思っています。他に、お店のセール情報などが携帯電話から確認できたりしても面白いですね。私の頭の中にはそういった開発に関する考えがたくさんあるのですが、他の人からは「そんなことは不可能だ」とよく言われます。
穂積 しかし、その「不可能なこと」を実現されてきたからこそ、御社はこれまで発展されてきたのでしょう。ところで先ほど海外への進出も視野に入れていると仰せられていましたが。
宮地 ええ。私達は携帯電話会社が進んでいくのと同じ道を進む必要があります。最近ではボーダフォンなど、海外でもかけられる携帯電話が増えてきましたよね。ですからそういった動きに合わせて、当社でも海外への進出を行なうようになってきたんですよ。現在はアジアの他にヨーロッパ方面にも注目しています。
穂積 なるほど。ところで、そういった様々な事業を支えてきたスタッフには、どのような方がいるのでしょう。
宮地 皆、色々な才能を持っています。そしてすごく真面目なんです。昼休みもあまり休まずすぐ仕事に向かったりしますので「もう少し休憩するように」っていつも言っているんですよ(笑)。
穂積 皆、社長のような素晴らしい人になりたいと思っているんでしょうね。ところで、社長はプライベートで趣味などはお持ちなのでしょうか。
宮地 趣味はゴルフ・車・釣りでして、空いた時間を利用して存分に趣味を堪能しています。取引先のお客様と一緒にゴルフに行ったり、子供やスタッフを連れて釣りに行くことも多いんですよ。
穂積 そういった休暇は、スタッフの皆さんにとってもよい気分転換になるでしょう。技術の最先端を行く御社ですが、そういった人間味の部分も大切にされているのですね。
宮地 ええ。私自身もともとサラリーマンですから、スタッフの気持ちもよくわかります。そういったスタッフたち、そして周囲の人たちへの感謝の気持ちを常に大切にしながら事業を進めていきたいと思っているんですよ。−初心忘れるべからずですね。
穂積 最後に今後の展望をお願いします。
宮地 いつかは自社ビルを構えて上場を果たすことが目標です。私はまだ34歳ですので、これからも前を見てどんどん進んでいきたいと思っています。
穂積 本日はありがとうございました。

(2003年12月取材)




























COLUM

新たな挑戦を続ける『エム・ティー・データ通信』
▼NTTドコモのiモードが登場したばかりの頃から、既に携帯端末から利用出来るサイトを開発していたという『エム・ティー・データ通信』。そんな先見性のある同社が現在着目しているのが「QRコード」である。
▼従来のバーコードは読み取りの速さと正確さが評価されて一気に普及したが、「より多くの情報を収納したい」「もっと小さなスペースで印字できるように」という要望も多かった。そうした声に答える形で出来上がったのが、このQRコード。従来のバーコードは横方向にしか情報を収納できないが、QRコードでは縦横2方向に情報を収納できるため、記録できる情報量も飛躍的に増大。文字にして700くらいの情報を入れることが出来るという。
▼同社ではそんなQRコードが今後のスタンダードになっていくと判断し、それに自社がこれまで築き上げてきた携帯端末のノウハウを応用した様々なビジネスを創出しているところだという。常に新たな挑戦を続ける同社。今後もその動きからは目が離せない。



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